偶然出会えた、ニシキベラの産卵は、感動的でした。

大規模な、ニシキベラの産卵は以前、富戸のサンカクでも、見たことがあります。 こちらも、夏の、かなり潮が早い日でした。

「さかなの街」東海大学出版によると、三宅島では、ニシキベラの産卵は、夏の時季、決まった時間に、決まった道を通り、決まった場所で行われるそうです。温帯の域のニシキベラはこう言う傾向にあるようです。

今回の神子元で、偶然、産卵に出会えましたが、このグループ(多分数千匹という数だと思います)も、昔から、毎年同じ季節の同じ時間に、同じ道筋を行進して行き、同じ場所で産卵して来た筈です。

熱帯の場合は、年間を通しての、水温、日照時間の差が少ないので、こう言う事にはならない様です。

ニシキベラの雄には、産まれつき雄(イニシャル・フェィズ:一次雄)のと、雌から雄に精転換した雄(ターミナル・フェイズ:二次雄)の2タイプの雄がいるそうです。
一見して、大きめで、色が鮮やかなのは、二次雄で、もともと雄の場合は、外見的にはメスと同じなので、お腹が膨らんでいればメスと言う事になるそうです。今回も、中層に泳ぎ上がっては、Uターンしているのは、1匹のメスの後を2〜30匹の雄が、追いかけて放精しているわけですが、見分ける事は難しかったです。

今回、目立って大きいとか、色が派手なものは、目に付きませんでした。ターミナル・フェイズの雄は、こう言う産卵には加わらないのでしょうか・・・(?)

東海大学出版、J.T.モイヤー/中村宏治 共著 の「さかなの街」に詳しい内容があります。

Sato.E